物流ニュース 10月2010年

27/10/10 禁止されている武器の輸入で24.6万ドルの罰金 − 豪税関
27/10/10 貨車15両が脱線、シドニー/メルボルン間の鉄道が不通
27/10/10 タスマニア鉄道の初年度の決算は大幅な赤字 − タスマニア州
20/10/10 幹部による顧客訪問行脚の期間を延長 − カンタス航空貨物
20/10/10 8月のコンテナ取扱量が過去最高 − シドニー・ボタニー港
20/10/10 昨年度(2010年6月期)の利益が66%減−オーストラリア・ポスト
20/10/10 大手ワイン・飲料輸送ジェイ・エフ・ヒルブラント社が豪企業を買収
13/10/10 ブリスベン港民営化の入札にインドのアダニ財閥が参加するかも
13/10/10 昨年度のコンテナ取扱量が前年度比2.5%増 − ブリスベン港
13/10/10 貨物船から木材貨物が海中に落下 − ニューサウスウェールズ州
13/10/10 穀物運搬船と衝突しマグロ船が沈没 − 南オーストラリア州
13/10/10 豪州/パプアニューギニア間の貨物機運航許可取得−パイオンエア

06/10/10 パイロットにイナゴの群れを避けるように警告−民間航空安全局

                                                              

10月27日2010年 禁止されている武器の輸入で24.6万ドルの罰金 − 豪税関

  10月19日シドニー在住の兄弟2人が地方裁判所に出廷し、禁止されている武器の輸入や所持など24の罪を犯したとして、裁判所費用を含む24万5,896ドルの罰金を支払う有罪判決を受けた。  
  税関のキングスレイ・ウッドフォード・スミス氏は、「今回の起訴は、禁止や制限されている武器を許可なしで輸入しようとする者への強いメッセージとなる。 飛び出しナイフ、ナックルダスター(Knuckle Duster)、携帯電話型スタンガン、唐辛子スプレー(Pepper Spray)などの武器は税関法1901で厳しく輸入が禁止されていることを人々は認識する必要がある。 許可を得ずに禁止されている武器を輸入すると、最高27万5,000ドルの罰金か10年以内の懲役、あるいは両方科せられる」と話した。 (Source: Australian Customs and Border Protection Services, 21/10/10 "Sydney: Brothers to pay more than $245,000 for importing and possessing prohibited weapons ")

10月27日2010年 貨車15両が脱線、シドニー/メルボルン間の鉄道が不通

  鉄道貨車が脱線し、シドニーとメルボルン間の鉄道サービスに大きな影響が出ている。 10月23日午前7時に、ビクトリア州ウドンガ(Wodonga)駅近くのMain East lineで、パシフィック・ナショナル社の貨車15両が脱線した。 
  長さ約660メートルに渡って軌道が破損し、脱線した貨車が反対側のWest lineを塞いだ。 この軌道はシドニーとメルボルン間の唯一の軌道で、貨物輸送と旅客輸送も中断された。 オーストラリア鉄道線路会社 (ARTC)によると、この事故の影響は1週間続くかもしれないとしている。 
  長距離旅客鉄道事業を行なっているカントリーリンクの広報担当は、「旅客輸送サービスについては、SydneyとAlburyの間は現在も鉄道サービスを行なっており、AlburyとMelbourneの間はバスにて対応している」と話した。 
  ARTCのブラッド・エメリー氏は、「今回の脱線の原因は今のところ貨車が原因であると思われている。 23両編成のこの列車のひとつの貨車がねじれて歪んで脱線し、ほかの14両の貨車も巻き込んだようである。 この事故によるけが人はなかったが、鉄道の軌道が大きく損傷し、550本のコンクリート製の枕木を取り替える必要がある」と話した。 (Source: ABC, 24/10/10 "Freight train derails, major disruptions ahead")

10月27日2010年 タスマニア鉄道の初年度の決算は大幅な赤字 − タスマニア州

  タスレール(TasRail : タスマニア鉄道)社の鉄道運営初年度の決算は1,000万ドルの赤字であった。 
  タスマニア州政府が100%保有する同社は、昨年タスマニア州政府が老朽化したタスマニア州の鉄道ネットワークを3,000万ドルでパシフィック・ナショナル社から買収した際に設立された。 
  タスレール社は、「タスマニア州で貨物鉄道によって収益を上げるには、トラック輸送との厳しい戦いとなる。 タスマニア州政府にはまだ配当金を払っていない。 鉄道軌道の改修、新しい機関車や貨車、最新式の鉄道管理システムには州政府や連邦政府による援助が必要となる」と話した。 (Source: ABC, 21/10/10 "Big loss in TasRail's first year")

10月20日2010年 幹部による顧客訪問行脚の期間を延長 − カンタス航空貨物
  カンタス航空は貨物部門の宣伝と、顧客から同社のサービスについての意見を聞くための全国行脚の期間を延長すると発表した。 
  カンタス航空貨物部門のトップのスティーブン・クリアリー氏と幹部たちは、同社のサービスや商品の品質向上や今後の開発計画などを協議するために、顧客と個別に面談する。 この行脚は、現在のところアメリカ、アジア、中国、ニュージーランド、ヨーロッパなどの主要マーケットは完了し、今月からオーストラリアでの訪問が始まった。 昨日はブリスベンの貨物代理店と荷主と会った。 その後、10月18日にはホバート、19日はメルボルン、パースは20日を予定している。 (Source: Aircargo Asia-Pacific, 14/10/10 "Qantas Freight roadshow seeks customer feedback")
10月20日2010年 8月のコンテナ取扱量が過去最高 − シドニー・ボタニー港
  世界的な金融危機から回復していることで、シドニー・ボタニー港の8月のコンテナ取扱量が過去最高となった。 
  8月のボタニー港のコンテナ取扱量は過去最高の18万1,200個(TEU)となり、前年同月より16.5%増加した。 輸出フルコンテナの取扱量は前年同月より7.8%増えて4万個(TEU)に届き、これは主に化学製品が26.7%、テキスタイルが90.4%、綿花が112.5%それぞれ増えたことによるものである。 輸入フルコンテナの取扱量も13.6%増えて8万9,000個(TEU)となった。 輸入が伸びた主な商品はテキスタイルが157.3%増、化学製品が22.4%増、紙製品が35.4%増、機械・輸送機器が5.4%増となっている。 
  今年度が始まった7月と8月の取扱量の累計は35万3,000個(TEU)となり、前年同期比で15.9%増加した。 輸入フルコンテナの7月と8月の合計は17万2,700個(TEU)となり前年同期比12.5%増となっている。 主な輸入元国は、東アジアが47%、ヨーロッパが16%、東南アジアが15%となり、この3地域で全体の78%を占める。(Source: T&L News, 12/10/10 "Port Botany record run continues on trade rebound")
10月20日2010年 昨年度(2010年6月期)の利益が66%減 − オーストラリア・ポスト

  オーストラリア・ポストは、封書の取扱量が危機的な状況まで減少し、2009-10年度の純利益が前年度より半分以下になった。 
  2010年6月期の決算で、同社は8,950万ドルの純利益を計上し、前年度の2億6,050万ドルと比べると65.6%減少した。 同社のAhmed Fahour社長は、「利益の減少の主な原因は、国内での封書の取扱量の減少によるものである。 続いている世界経済の低迷も要因のひとつであるが、電子メールの普及により、国内の封書の取扱量が我々が必要としている最低限のレベルに近づいていることが大きな原因である。 景気低迷で世界中の郵便事業者が影響を受けている。 また経費節減のためのリストラ費用も主要ビジネスの利益に大きく影響を与えている。 消費者の需要や企業の活動が低迷しており、郵便局を訪れる人の数が減っている。 オーストラリアで最大の小売店舗ネットワークを持つオーストラリア・ポストは、日々訪れる客数が大きく減少している。 今後を見ると、オーストラリア経済は次第に伸びるが、すべての業種が同様に回復しているのでなく、経済の回復のスピードは2種類に分かれる。 オーストラリア・ポストはより多くの利益を追求するために、新しい収入源の開発やビジネス・モデルの再構築を迫られている」と声明で発表した。 (Source: ABC, 15/10/10 "Australia Post's profit plunges by 66pc")

10月20日2010年 大手ワイン・飲料輸送業者ジェイ・エフ・ヒルブラント社が豪企業を買収
  世界的に有名なワイン・飲料専門の輸送業者ジェイ・エフ・ヒルブラント(JF Hillebrand)社が、オーストラリア市場での存在感を高めるために、ジョン・クラック・フレイト・サービス(JCFS : John Crack Freight Services )社を買収した。 
  JCFS社は南オーストラリア州のアデレード港に拠点を置き、多くのワイナリーを顧客に持ち、オーストラリアからのワイン輸送を18年間行なっている。 また同社は8,000uの倉庫やコンテナ・パッキング・デポも運営している。 
  ジェイ・エフ・ヒルブラント社の豪州/NZ地区のマイケル・フロッグブルーク社長は、「JCFS社がジェイ・エフ・ヒルブラント・グループに参加することなって本当に嬉しく思う。 今回の統合でオーストラリアの顧客にさらに専門的なサービスを提供できるようになる」と話した。 
  買収後もJCFS社は社名も組織も変更せず、顧客との輸送契約もそのままである。 そして、JCFS社は世界的なジェイ・エフ・ヒルブラント・グループのネットワークを活用することが可能となる。 (Source: T&L News, 12/10/10 "JF Hillebrand buys John Crack Freight Services")
10月13日2010年 ブリスベン港民営化の入札にインドのアダニ財閥が参加するかも
  ブリスベン港の20億ドルにもなる民営化に、インドのアダニ財閥が参入する可能性が出てきた。 
  すでにクイーンズランド州で数十億ドルを投資して、石炭鉱山や関係するインフラを買収や開発しているアダニ財閥が世界的な拡大を急速に行なっている。 2つのコンソーティアムが今月末に行なわれるブリスベン港の民営化の入札について、適正評価をしていることが分かり、日刊紙のオーストラリアン紙は、アダニ財閥が入札に参加するのではないかとしている。 
  アダニ財閥はインドの北西部沿岸のムンドラ・ポート&経済特別区(Mundra Port and Special Economic Zone )でインド最大の民間港を運営しており、その経験を生かしてブリスベン港を運営することは理にかなっている。 アダニ財閥を率いるガウタム・アダニ氏は49歳で、クイーンズランド州政府のブライ首相から、クイーンズランド州北部のDudgeon Pointで新しい石炭積出港の開発権利を取得したことで知られている。 
  アダニ財閥の広報担当はオーストラリアン紙に対して、「現在のところ、今回の件についてはコメントできない」としている。 (Source: The Australian, 04/10/10 "India's Adani mulls Brisbane port bid")
10月13日2010年 昨年度のコンテナ取扱量が前年度比2.5%増 − ブリスベン港
  クイーンズランド州の経済回復と消費者の自信が増したことが、2009/2010年度のブリスベン港のコンテナ取扱量の増加に大きく役立っている。 
  ブリスベン港の昨年度(2009年7月-2010年6月)のコンテナ取扱量は、前年度より2.5%増えて91万8,999個(teu)となった。 輸入フルコンテナが7.9%増え、これは主に家庭用品の輸入が7.7%、建設製品が31.3%伸びたことによるものである。 輸出に関しても全体的に増加した。 特に綿花が22.8%、果物・野菜が15.3%増え、空コンテナも16.6%増加している。 
  バルク貨物を含めた総取り扱い重量は、前年度より0.6%増えて3,210万トンとなり、ブリスベン港としては7年間連続で伸びている。 穀物輸出は全体的には前年度にソルガムが豊作だったことで昨年度は減少したが、小麦の輸出は15%増えて96万5,000トンとなり、過去13年間で最高となった。 自動車の輸入は、政府の景気刺激策(税金控除)により26%増えて20万2,440台となった。  (Source: Port of Brisbane, Aug/Sep2010, "Containers return to positive growth at Port of Brisbane")
10月13日2010年 貨物船から木材貨物が海中に落下 − ニューサウスウェールズ州
  パナマ船籍の貨物船ミマサカ(Mimasaka)は、ニューサウスウェールズ州ヤンバ(Yamba)沿岸沖で緊急停船したあと、シンガポールに向かって航行を続けた。 
  ニュー・サウス・ウェールズ州海事局(NSW Maritime)の地域港湾・船舶安全マネージャーのデービット・ハンター氏は、「全長128mの貨物船ミマサカは、10月04日にニューサウスウェールズ州コッフスハーバー北東43海里の海域で悪天候のため、搭載していた木材貨物600パックが海中に落下した。 同船はタスマニア州バーニーからシンガポールへ向かう途中であった。 ニュー・サウス・ウェールズ州海事局のヤンバ港の港長(harbour master)は、ヤンバの2.2海里沖で搭載しているほかの貨物の安全を確認するために停泊している同船に援助を与えた。 そして、オーストラリア海洋安全局 (AMSA : Australian Maritime Safety Authority)も同船に対して適切なアドバイスを行なっている。 搭載されている貨物の安全を確認するために、ヤンバからダイバーや溶接工が派遣された」と話した。 
  そして、昨日遅くになって、同船の乗組員による安全確認が出来たことで航行を続けることになった。 天候は今後もよくないことから、スピードを落として航行することになるが、ブリスベン経由でシンガポールに向う。 (Source: Sail World, 8/10/10 "Timber adrift south of Yamba after Cargo ship loses 600 packs") 
10月13日2010年 穀物運搬船と衝突しマグロ船が沈没 − 南オーストラリア州

  南オーストラリア州ポートリンカンで起きた海洋事故の原因を調査するために、穀物運搬船が連邦政府当局によって拘束された。 
  南オーストラリア州警察は、穀物運搬船によって衝突され、ブレンナン埠頭沖で沈没したマグロ船”アポロS”が引き上げられるには1週間はかかるとしている。 ブラッド・フラハティ警視は、「事故が機械の故障で起きたのか、人的ミスで起きたのか、またその両方であるのかを調査するために穀物運搬船を拘束した。 10月8日に発生したこの事故により流出した重油は、緊急対策班によって海岸への漂着を免れたが、マグロ船が沈没した海域を清掃するにはまだ時間がかかる。 沈没船を引き上げるサルベージ会社が手配されているが、引き上げ計画を作成するには約1週間は必要である」と話した。 
  沈没した全長47メートルの”アポロS”は、マグロ漁師のサム・サリン氏が所有するマグロ船の中で最大で、船体価格が1,700万ドルするとされている。 (Source: ABC, 11/10/10 "Grain carrier detained after tuna boat crash")

10月13日2010年 豪州/パプアニューギニア間の貨物機運航許可取得−パイオンエア 

  国際航空委員会(IASC:International Air Services Commission)はパイオンエア(Pionair)社に対して、オーストラリアのケアンズとブリスベンから、パプアニューギニアのポートモレスビーやその他の都市へ週2便貨物機を運航することが出来る暫定的な許可を与えた。 
  これによって同社は、今後3年間パプアニューギニアへ週12トンの貨物輸送が可能となり、2011年3月までに運航を開始する。 使用機材はコンベア580の貨物機で、過去にチャーターで何度もパプアニューギニアには運航した実績がある。 
  オーストラリアとパプアニューギニア間は、ヘビーリフト貨物航空(HeavyLift Cargo Airlines)とパシフィック・エア・エクスプレス(Pacific Air Express)社が定期的な貨物輸送サービスを提供しているが、ヘビーリフト貨物航空は現在運休している。 パプアニューギニアでの資源開発プロジェクトが増えており、オーストラリアとパプアニューギニア間の貨物市場は伸びると期待されている。 (Source: Australian Aviation, 04/10/10 "Pionair wins PNG cargo rights")

10月06日2010年 パイロットにイナゴの群れを避けるように警告−民間航空安全局
  オーストラリアで異常発生したイナゴの群れは現在空中を飛びまわっている状態だが、一旦飛ぶのを止めると作物に大きな損害を与えることになる。 科学者たちは、春にイナゴが孵化すればニューサウスウェールズ州は過去30年間で最悪の大発生になると懸念している。 
  そして、オーストラリアの民間航空安全局(CASA)は、飛行機のパイロットがイナゴの異常発生を無視すると、大きな問題になると警告している。 
  CASAのピーター・ギブソン広報担当は、「飛行計画を作成する際に、パイロットは大きなリスクを避けるために、今どこでイナゴが孵化しているのか、どこで活発に飛んでいるのかをチェックする必要がある。 もし、必要でなければ、そのような地域を飛行すべきでない。 イナゴの群れに入ると問題の原因となる。 多くの成虫のイナゴの群れは地表を覆い、操縦室からの視界も著しく低下する。 またイナゴがエンジンに入ったり、速度を関知するピトー管に入ると正確な速度が分からず非常に危険な状態になる。 イナゴの群れへは多くの鳥が集まり、航空機へのバードストライクの危険性が高まる。 今までにイナゴによる航空機事故は報告されていないが、今後可能性はある。 最悪の場合、イナゴによってエンジンが封鎖され、空気が入らず、エンジンが過熱する危険や、不正確な速度計で運航しなければならない危険がある。 すでに多くのイナゴの孵化が、ニューサウスウェールズ州中西部・遠西部・北部、ビクトリア州北西部、クイーンズランド州南部、南オーストラリア州のFlinders Range地域で発生している。 イナゴは3,000フィートの高さまで飛ぶことができ、5,000万匹の群れをなすことがある。 ひとつのイナゴの群れは数十キロから数百キロに及ぶこともある」と話した。 (Source: Courier-Mail, 27/10/10 "Aircraft warned to avoid flying in locust plague areas")